ゴッホ展とターナー展と源水@京都

今月末で廃業と報道で知り、京都は二条城近くの『源水』さんへ行ってきました。

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創業が文政8(1825)年の京菓子司。時の将軍は徳川家斉。将軍が二条城にお泊りの際には、お菓子を上納されていたのでしょうか。

お目当ての『ときわ木』は、午前早くにお邪魔した甲斐あり、無事に入手できました。こちらは厳選された丹波大納言小豆を使用し、羊羹の上にのせて固め、ときわ木(松の木)に見立てた半生和菓子。小豆の量が絶妙で、上品な甘さに顔がほころびます。茶人だけでなく、川端康成、歌舞伎役者、俳優などにも好まれてきたそう。後継者がいらっしゃらないがために廃業との事で、惜しまれますね。

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店内には、川端康成の年賀状が飾られていました。撮影を快くOK下さり。このシンプルさは、当時の一般的なものなのか、川端康成らしさなのか、気になるところ。

 

本日第1の目的の『ときわ木』の次は、ゴッホ展@京都国立近代美術館へ、地下鉄移動です。

その前に『桝富』さんで昼食。

鴨なんばそばを戴きました。ぷりっぷりの鴨に、優しい香りのお蕎麦とお出汁、大満足で沁み入りました。

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11時30分開店の10分前に待機していて大正解でした。開店時には行列ができていたので、一巡目で入店できない方も。

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趣ある天井。店内空間も素敵です。

 

そして本日第2の目的のゴッホ展へ。

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会場外からゴッホ色に溢れ、テンション上がります。 ロッカーに上着と荷物を預け、財布やスマホなど最小限の荷物で身軽になってから、いざ鑑賞へ。

 

展示全体の3分の1近くが、浮世絵でした。タイトルにある「巡りゆく日本の夢」は、そういう事ですかぁ。ゴッホが、いかに浮世絵から影響を受け、日本に憧れていたかという。

初めて観る《花魁》は、浮世絵を模写しているので構図は浮世絵仕様ですが、鮮やかな色合いや力強いタッチが、やはりゴッホで。

ゴッホ作品の間に浮世絵が展示されていたので、ゴッホの熱量は中和されますが、浮世絵とリンクしている事を感じられた展覧会でした。2000年頃に観たゴッホ展では、ゴッホ作品のみを時系列で展示するスタイルで、途中から病んでいく様子が伝わってくる迫力があった記憶あり。展示テーマが違うと、同じ画家でも受ける印象が変わり面白いですね。

 

この展覧会の冒頭にあったのが、葛飾北斎の作品の中で、最も有名なんじゃないかと思われる《富嶽百景の神奈川沖浪裏》と《山下白雨》の2点。

その所蔵が、なんとニトリでした!版画だから多数あるのかもしれないですが、ちょっと感動しました。小さな家具屋さんが全国区になった上に、社会へ還元されている活動を、本拠地の北海道ではなく、遠征先でお目にかかれるなんて。

 

最後に、フロアを上がると面白い作品がありました。現代美術家森村泰昌さんが、ゴッホの《寝室》に因んで制作した、ほぼ実寸大のレプリカ「ゴッホの部屋」。

こちらは絵画でなく立体物です。撮影OKで、皆さんバシバシと。上がってみたくなりますが、さすがにそれは厳禁でした。

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美術館を出たのは15時頃でしたが、入館制限されていたようで入口前は長蛇の列。館内の混雑ぶりにフーフーしましたが、待たずに入れたので幸いです。

 

そして本日オマケのお立ち寄り。道中出会った方から、絵が好きなら是非ターナー展が良いよ、というオススメ情報を頂いたので、京都文化博物館へ、地下鉄移動です。

 

ターナーは、イギリスの最も偉大な画家で、風景画に独創性があるそうです。

1820年の作品では、ローマのバチカン近辺にほとんど建物がなく、畑なのか草むらなのか、市街地と離れたエリアである事がよく分かり、印象に残りました。時代の記録は面白いですね。

ターナーが、イギリス国内のみでなく、スイスやイタリアに旅行して描いた作品が、今でいう旅行ガイドブックの写真代わりに。

先のゴッホと相反し、職業としての画家が成り立つ、生存中に成功する恵まれた画家人生を送っていました。

 

京都てくてく。目的を全てクリアでき、寄り道もしつつ、良い1日でした。感謝。